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ASTRAL-X対GT-Air

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日本を代表するヘルメットメーカー2社のツーリング向けフラッグシップモデルを所有してるのでその比較なぞ。

 <重さ>

手に持った感じではASTRAL-X(以下アストラ)の方がGT-Air(以下GT)より少し重いようですが、被ってみるとアストラの方が軽く感じます。おそらくアストラは重心が低いのだと思います。GTは頭の上に重量物を乗せている感じで、首を前後に傾けると、ある一点を越えた途端にカックンと下に引っ張られるように重さを感じるのに対し、アストラは重量を耳の高さ辺りに感じるので傾きによる重量感の変化はあまり感じません。ちなみに僕のGTはXLサイズのグラフィックモデルなのでSHOEIのHPによると重さ1,608g。アストラの方が重くても100gは違わないと思います。

<視界>

アストラの勝ち。GTはインナーバイザーを内蔵する為にオデコの部分が厚くなっているので特に前傾姿勢だと遠方の視界が遮られます。アゴ側もオデコに合わせて前に出ているので肩ごしに後方を見る時や、手元足元の視界もイマイチです。

<ベンチレーション>

これもアストラ。こめかみのダクトからシールド内側の空気が抜けて行くのをはっきり感じます。GTは長所でもある密閉性の高さが災いしてメガネの曇りに悩まされました。アストラは4月購入で本格的に寒い時期に比較は出来ていませんがGTより曇るような事はないと思います。

<静粛性>

GTの勝ち。アストラもプロシェードがいかにも風切り音を立てそうな見た目ですが、正面から風を受けている分にはそんなこともなく(横風だとピューッと音がする時がありますが、それはGTも同様)GTと大差ない静かさだと思っていたのですが、高速道路でトンネルに入った時にGTだと気にならなかった周りの車のタイヤが立てる甲高い音がアストラだと少々耳障りに感じます。ヘルメット自体の空力的な騒音の発生は同等レベルに抑えましたが遮音性ではGTに軍配が上がるようです。

<バイザー>

どちらもシールド交換無しにクリアとスモークの視界を得られるのが売りですが、インナーバイザーと外付けバイザーという全く真逆のアプローチ。操作性では直接バイザーを上げ下げするアストラのプロシェードの方が使い易いです。GTは左耳辺りにある小さなスライドスイッチを手探りで探して操作するのでとっさの上げ下げに対応しにくいです。インナーバイザーの長所としてはシールドを開けて盛大に外気を取り入れながらも目は走行風から守られること。特に夏場は重宝します。

プロシェードの短所はバイザーを上げて走っていると内側に虫の死骸がくっついてしまうこと。いざバイザーを下げた瞬間に「うへぇ」となることがしばしば。取り外さないと掃除もしにくです。

両方に言えることですがバイザーは本当にまぶしい時に使うので標準でもっと濃いスモークにして欲しかったです。

<その他>

GTのラチェット式ストラップは圧倒的に使い易いのですが寸法が大きいせいか喉仏に当たり、ツバを飲み込む時などにゴリッと不快な感触がします。痛い程ではないのですが。ネットで調べると他にも同様の感想が見つかるので僕個人の喉仏の問題では無いようです。

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アストラのイマイチな所。シールドホルダの塗装が中途半端だったりインテークの穴からシェルの繊維がほつれ出していたりとフラッグシップモデルにしては仕上げがいい加減。昔使ってたサーキット向け最上級モデルRX-7RR4は勿論、中級モデルのプロファイルでももっと丁寧な造りだったのですが。またバイザーとの干渉を避ける為かシールド上部のエアインテークのシャッターが従来のヒンジ式ではなくスライド式になったのですがこれの操作感もイマイチ。全開にしたつもりが斜めになってて半開きだったり。

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シールドのVAS-Vロックもイマイチ。ほとんどの人は左手でシールドを開けると思いますが(ロック機構もそれを想定して左側に設けられていますね)、メガネのずれを直す為に頻繁に開閉しているとシールドがねじれて左側が浮き気味になり、本来帽体とレバーの隙間に収まるべきシールドがレバーの外側に被さってしまい、ロックが効かなくなくなります。そうなったらシールドを二、三度両手で開閉してねじれを直してやらなくてはなりません。これはGTも同様で、曇り取りにちょっとだけシールドを開けるとそのまま閉めてもきちんとロックの溝にはまらないので冬場の走行中でもシールドを一旦全開にしてねじれ修正を強いられてストレスです。付属のピンロックシールド使えば曇らないだろって?メガネが曇るからピンロックあっても意味がないんですよね。どちらも静粛性を重視して密閉性を高める為のロック機構なのでしょうが設計の詰めが甘いと感じます。

<総評>

被った時の軽さや視界の良さなどヘルメット単体性能ではASTRAL-X。フラッグシップモデルとしての質感や満足感ではGT-Airですかね。まあどちらも豪華装備満載ですがそれらは無くても困るようなものでもないので次に買い換える時はシンプルで軽量なモデルにしようと思います。