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福島空港にDC-3を観に行く

f:id:dasaki:20170528220137j:plainEVENT - ブライトリング DC-3 ワールドツアー | BREITLING

ダグラスDC-3 は、航空史上最も重要な航空機としてその名を知られています。 丈夫さ、低燃費、長距離輸送力により、DC-3 は航空輸送の世界に革命をもたらし、航空史上で初めての信頼のおける商用航空機として好評を得たのです。1935 年に誕生して以来、世界中で活躍してきましたが、飛行できる機体は少なくなってきています。
今年、1940 年に生まれ、今なお現役で飛ぶことができるまさに「空飛ぶ文化遺産」と言えるブライトリング DC-3 が、77 周年を機に世界を一周する旅に出ます。そして、その旅の途中で、日本にもやってきます。

と言う訳でその寄港地の一つ、福島空港へ行って来ましたよ。

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この角度だと困り顔に見えますね。

5月26・27日は抽選で選ばれたブライトリングオーナーと地元小学生を対象とした機体見学、体験搭乗などのイベントが行われました。だだっ広い空港ですから一般客も滑走路の外や送迎デッキなどから遠巻きに観る事は出来たのですが両日とも天候に恵まれず。晴れ予報の28日の出発フライトに狙いを絞って出陣。ただし出発時刻は「28日の朝」としか報道されていなかったので念の為、空港の始業時刻6時に現地着を目指します。4時起きで出発の予定がヘンな夢を見て2時半に起床、寝不足でぼーっとしてたら高速で降りるインター間違えたりと多少のトラブルはありましたがなんとか6時ジャストに到着。朝日を浴びて輝くDC-3と無事ご対面と相成りました。

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空冷複列星型14気筒 P&W R-1830  "ツインワスプ" エンジン。排気量30L 1200馬力×2の2400馬力。 エンジンカウリングの下にぶら下がってる筒状のものはオイルクーラー。左舷エンジンのみ下に黒い箱が置いてありますね。オイルパンでしょうか。

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送迎デッキから機体全景。とても品があるカラーリングだと思います。尻下がりの駐機姿勢がこの年代の飛行機らしい特徴です。プロペラが地面を擦らないようにする為には長い着陸脚が必要で、機体を水平に保とうとすれば後ろの脚も長くしなければなりません。ところが着陸脚はその名の通り着陸時以外は無用の長物なので出来るだけ短く軽くして、その分燃料や乗客を増やしたい。それに背が高いと搭乗や荷物の搬入も大変なので結果この形が主流となりました。

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反対側なので分かりづらいですが、搭乗の際は機体右側面のハッチを下向きに開くと裏側がタラップ(階段)になっていてそこから乗り込みます。

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ちなみに現在のジェット機エアバスA320かな?)は水平姿勢。写真にも写ってるボーディングブリッジなどの支援機材の使用を前提としているのでこの形になりました。逆に言うとDC-3の年代の飛行機は原っぱみたいな滑走路しかない空港に降りるので支援機材なしで乗り降り出来なきゃ行けなかったんです。しかし現代の旅客機と比べるとコンパクトで可愛らしいですね。

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エンジンスタート!星型エンジンは駐機中に下向きのシリンダーにオイルが貯まるので始動一発目は盛大に白煙を吐きます。しかし77年前の機体だというのにセルスターター一発で始動するのには驚きました。簡単な目視点検とかはしていましたが、電源車につないだりとかしなくても良いんですね。

何時に飛ぶか分からない上に良い撮影ポイント確保しておく為にほぼ送迎デッキに陣取っていたのですが、DC-3が動き出したのは11時過ぎ。実に5時間待ったぜ・・・

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左のタイヤを軸にくるりと向きを変えて出発。パイロット(右座席は副操縦士だったかな?)が手を振ってますね。

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初めて右側面が見えました。あと影が面白いですね。特徴的な主翼の後退角が良く分かります。

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飛行機はこの角度が好きです

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実に軽々と離陸。次の目的地に向けて初夏の空に飛び去って行きました・・・と思ったらこの後、引き返してきて2回ほどフライパスのサービスをしてくれたらしいです。油断して飯喰いに行ってて見逃した・・・なんせ2時に起きてから11時過ぎまで何も食べてなかったので空腹の限界だったのです。通常の旅客便が出る8時までには飛ぶと思ってたので朝飯はその後で良いかと思ってたんですよね。

最後の写真、前のタイヤがはみ出してますがこれで正常な収納状態。タイヤが出ずに不時着する事を考えての設計です。この時代の飛行機旅行はまだまだ命がけだったことを伺わせますね。

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DC-3ですが機体年齢的に日本に来るのはおそらくこれが最後だと思います。今回、震災復興応援の意義も込めて、飛行機マニアに限らず多くの人の目に触れるイベントだったのはとても良かったと思います。特に体験搭乗した小学生の子供達にはとても素敵な思い出の一つとなったのではないのでしょうか。

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さて心も胃袋も満たされたし、帰って寝なおすか・・・